ライトな二人ー6−





獅子宮には沙織の言ったとおり、アイオリアが二人が来るのを待っていた。

真面目そう。

それぞれ自己紹介を終え、アイオリアを見たの第一印象だ。

「きみは星矢たちとも親しいのだろう?」

突然星矢の名前が出て、軽く驚いたが、「星矢たち」が瞬、紫龍、氷河、一輝たちの事を言ってるのだと分かった。

「ええ、6年前からの付き合いです。皆良い子ですけど、星矢は特に悪ガキでしたね。」

幾多の戦いを経て、青銅聖闘士でありながら最後までアテナを守りきった彼らを捕まえて、「良い子」と言ったに、彼らへの愛情を感じたアイオリアであった。

自然とへの眼差しも優しくなる。

「そうか。」

「そうですっ。」

沙織は二人のやり取りを微笑みながら見ていた。



処女宮、天秤宮を素通りし、天蠍宮を目指した。

天蠍宮はミロが守護する所。

はそれを思い出すと、自分を迎えに来た時のミロを思い出した。

途端に体が熱く感じられ、顔も火照ってきたようでは慌てた。

(うわっ! 何よこれ! 落ち着け! 沙織が変に思うでしょっ。)

沙織に気付かれないように小さく深呼吸を繰り返し、熱を冷まそうとした。

しかし、

「天蠍宮が見えてきましたよ。ミロが待ってます、さん。」

沙織の言葉に再びの熱が上がってきた。

ミロに視線を送ると、最初に見たスーツではなく、黄金聖衣を纏っていた。

その姿は凛々しく、まさに戦士のようで、今度はの心拍数を上昇させた。

「ミロ、天蠍宮を通らせて頂きますね。」

「はい、アテナ。お二人で随分楽しく上って来たようですが。」

「まあ、気付かれました? ふふ、さんと話すのは大好きですから。」

「ほぉ。」

向き直ったミロは、の様子が少しおかしい事に気付き、首を傾げた。

「どうしたのだ。顔が赤いようだが。」

「本当。さん熱でも有るようですよ。」

沙織とミロから指摘されるが、ここでうろたえては益々突っ込まれる。

「うん、大丈夫、自分でも分かってるから。話しながら階段上って来たから、息が切れただけ!」

この言い訳を二人はどう思ったか。

ミロは、それにしてはアテナは疲れた様子は見られないが、と言いたそうな視線で沙織を見た。

沙織は、さっきまで息は切らしていなかったと思いますが、とを見た。

「先急ぎましょう! 貴鬼の言うとおり日が暮れてしまうわ!じゃあミロ、またね。」

そう言うなり、後ろから沙織の両肩を押して先を急がせた。足早に立ち去ろうとした。

さん!押さないで下さい。」

「お願いっ、速く歩いて沙織!」

呆然と、遠くなる二人の会話を聞いていたミロだが、ふっと口元を綻ばせた。

(まるで姉妹だな。)



天蠍宮を出てから、人馬宮へ続く階段の中ほどまで、は沙織の肩を押して歩き続けた。今度は本当に息切れがしてきた二人で、途中足を止め、大きく深呼吸をした。

「もう、さんてば、いきなりどうしたんですか。」

「・・・ごめん。」

申し訳無さそうなの様子に、沙織はくすくすと笑った。本当に可笑しそうに。

「でわ、気を取り直して上を目指しましょうか。」

「うん。」

「次の人馬宮のアイオロスも教皇宮で執務中ですね。」

「確か、アイオリアとは兄弟でお兄さんよね。やっぱり似てるの?」

「ええ。雰囲気などはやはり似てると思います。」

「あ、沙織。さっき後で話すって言ってたのは何だったの。もう教えてくれてもいいでしょ。」

沙織はパッと笑顔になった。

「明日、黄金聖闘士の皆さんを集めてさんを紹介しようと思うんです。」

「えっ。紹介? 別にいいのに。」

集める、という事は、黄金聖闘士が全員揃うわけで。自分の紹介のためにわざわざ呼び戻さなくてもいいと思うだった。

「ぜひ紹介したいんです。それにスペシャルゲストも来る予定なんですよ。」

「スペシャルゲスト? 誰?」

「明日になれば分かります。」

またあの笑顔よ、沙織。

心の中でそっと毒付いてみた。

沙織と話していると時間もあっという間に過ぎ、何時の間にか11番目の宝瓶宮が目の前に聳え立っていた。

そんな二人の様子をそっと伺っている者達がいた。教皇宮にいる、シオン、サガ、アイオロスである。

「アテナは楽しそうにしているな。」

アイオロスが呟く。

「そのようだ。どれだけアテナが、という女性を信頼しているかが分かるというものだ。」

サガもアイオロスに続く。

シオンも、昨日までのどこか元気のなかった沙織の姿を浮かべ、静かに笑みを浮かべた。

と沙織がもうじき教皇宮に入ろうとしていた。





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ミロが出てきた!やっぱりミロがいると速さが違うね。
本当は黄金全員出そうと考えてましたが、そんな事したらいつまでたっても終らない!と気付き、
無理やり何人かは切りました。そのファンの方がいたらすみません。
次は全員出る予定なので、話すかどうかは別として(おいっ)