ライトな二人ー35−












「そうだな、職業が秘書と聞いていたからプライド高くつっけんどんなタイプかと想像していた。」

「え、そんな風に思っていたの。」

「あくまでイメージだ、イメージ。それと、アテナのご友人と聞いていたから失礼のないようにしなければ、とも思っていた。」

"アテナのご友人"

ミロの知っている沙織と、の知っている沙織の違いをまた突きつけられた。

(私にとっては妹みたいな子なのに。)

「だから、実際に会って話したら普通の女の子で驚いたし、アテナと対等に話している姿に安心した。」

「安心?何が?」

「アテナと君の関係にだ。」


あ、ミロの言わんとしている事が分かった。


「星矢たちは特殊な例だと思うが、俺たち聖闘士はアテナに対してどれだけ尊敬の念を持っていて友人にはなれない。それがアテナに寂しい思いを抱かせていないかと、たまに思う時があってな。」


にとって胸の奥が温かくなるミロの思いだった。
聖域で感じた遠い沙織の存在。
日本でも聖域でも、周りは沙織を傅く。

でも、そうではない人もいる事に嬉しかった。それが好きになったミロなら尚更に。

「良かった。」

笑顔一杯で言うに、今度はミロが問う。

「何がだ?」

「沙織の事を考えてくれて。確かにミロ達と沙織は友達にはなれないかもしれないけど、ちゃんと沙織の気持ちを考えてくれてすごく嬉しい。ありがとう、ミロ。」


礼を言われるような事はしていない。
と思うが、嬉しそうに笑うを見ていたくて何も言わなかった。

「で、話を戻すが。」

セキ払いを一つ。

(そうだった。、私のどこを好きになってくれたのか聞いている途中だったっけ。)



私のどこを好きになったか。



(・・・なんて事、気になるとはいえ、よくこんな恥ずかしい事ミロに聞いたな〜私。)

少し後悔の念が湧き上がってきただったが、一人後悔をはじめているには気付かずミロは話し始めた。

「仲良く話しているアテナと君がまるで姉妹に見えて、最初一線を引いていた君を見る視点が変わったのかもしれない。」


は沙織に事を妹のように思っている。実際そのように接している。沙織に対する自分の態度が、聖域側にどのように思われているか不安はあった。

ミロが自分と沙織の関係を姉妹のようだと感じたなら、他の皆もそう感じたに違いない。

「もしかして、私の沙織に対する接し方ってミロたちから見たら好ましくない?」

「・・?」

ミロが初めて見るの不安そうな顔。

「だって、聖域からみたら私の態度って馴れ馴れしく映ると思うし。でも沙織にはずっとあんな感じだから今更変えろって言われても無理だわ。」

の瞳が先程から揺れている。今にも涙が零れ落ちそうになるくらいに。




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