ライトな二人ー3−



空港に着くと、さっそく搭乗手続きを済ませる。

グラード財団所有の小型ジェット機で向かうため、待ち時間はほとんどなく搭乗できた。

搭乗客は勿論、とミロだけである。あと、女性の接客乗務員が一人。

この小型ジェット機はも仕事で時々使用させて貰っているため、にとっては勝手知ったる機内だ。

リムジンの中で少々緊張して疲れ気味のは、シートに座ると心の中でほぉっと息を吐いた。

シートベルト着用の機内アナウンスが流れそれに従うと、間もなく小型ジェット機は離陸を始めた。

安全域まで達するとはすぐにシートベルトを外す。そこでふと、思い立った。

「ミロ」

後ろに座っているミロを振り向くと、ミロもこちらを見る。

「なんだ?」

「ミロはいつ日本に着いたの?」

なぜそんな事を聞くのかと思いながら
「昨日の夕方だ。」

は驚く。昨日に続きまた飛行機での長距離移動は中々ハードだと思う。

「随分な強行軍ね。もっとゆっくり来れれば良かったのに。じゃあ、昨夜は城戸低に泊まったのね?」

「そうだ。まあ、強行軍は仕方ないだろう。あなたのギリシャ行きは急遽決まった事だからな。それに、特に疲れてはいない。」

体力あるんだぁと納得しながら、気になっていた事を言った。

「ねえミロ。"あなた"って呼ばれるの、慣れてなくてなんか恥ずかしいから、""って呼んで。私もミロって呼んでるし。」

「そうなのか?"あなた"とは他人に呼び掛ける時の丁寧な言葉だから、アテナの友人であるあなたには、使って当然なのだが。」

「そうなんだけど、・・お願いっ!」

本人から強い口調でお願いされてはミロに拒む理由など無く、の願いを聞き入れた。

「分かった、。しかし、君は思っていたよりも、普通の女性なのだな。」

「ど、どういう意味?それ。」

「秘書と聞いていたので、もっとすましたお嬢様タイプと思っていたのだ。」

まだ会って少ししか話していないが、がそんなお嬢様な性格でない事は、ミロにはよく分かった。

「え〜なにそれ。」
自分がそのように思われていたとは、は可笑しくて吹き出した。

「同じ秘書課の中には確かにそうゆう人もいるけど、ほんの僅かだよ。」

先輩達の顔が浮かぶ。

最初よりはかなりミロと打ち解けたは、聖域の事や、他の聖闘士の事も聞いたが、ミロはそれについては簡単に答えたのみだった。

が知っている世界とは程遠いから、目で確かめるのが一番だと言う。

一体どんな所よ、と言いたそうな顔のに薄く笑いながらも、それ以上は聖域については話さなかった。

もそれ以上は聞いても無駄と思い、仕方なく前を向いた。

その後は備え付けの映画や音楽鑑賞、うたた寝、ミロと時々話したりした。

ミロは、機内食を絶賛していた。

そして、やっとギリシャに着いたのである。

ギリシャは今、お昼を少し過ぎた頃で、快晴だ。

「昼に日本を出て、昼にギリシャに着くなんて、時差って不思議よね〜。」

両手を上げて体を伸ばしながら、呑気な声でが言った。

ギリシャは日本より7時間遅れの時差があり、日本とギリシャは約7時間のフライト時間で行き来できる。

「疲れたか?」

「うん、少しはね。」

「では、もう少し疲れてもらうぞ。小型機で聖域まで行くからな。」

げっという表情と一緒に、時間掛かるの?と聞くと、1時間も掛からん。と返ってきた。

入国手続き後、外に出ると待っていた小型機に乗り込み聖域に向かって行った。



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次から舞台はギリシャに移ります。ミロとラブラブになるのはもう少し先かな。早くラブラブしたいな〜。