=Happy Plan=






「これ何?」

机の上に置かれた真っ白な封筒を訝しげに取ると、はミロに訊ねた。

「ああ、それは招待状だ。」

「何の?」

「誕生パーティー。」

「誰の?」

「俺のだ。」

「・・・・・ちょっと待って。」

ミロを凝視したまま、私は封筒を持つ手に力が入る。

「ミロの誕生日っていつ?」

「11月8日。」

「もうすぐじゃないのっ!!」

大声を出してミロに詰め寄った。

「そんなの私初めて聞いたわよっ?!」

「そういえば言ってないな。」

の迫力など気にかける様子もなくミロは言う。

「呑気な事言わないでよ〜。」

「何をそんなに慌てているんだ?も勿論そのパーティーには出席してもらうから心配するな。」

「それはそれで有難う。でも!そんな事じゃないわよ!!」



私の誕生日はまだで、クリスマス、バレンタインもまだ先。

ミロと私の思いが繋がって初めての恋人らしいイベントがミロの誕生日だという事を今知った。

好きな人の誕生日をたった今知らされたは、ミロの首を掴む勢いでミロに迫った。

「どうしてもっと早く言ってくれなかったのよっ!!間に合わないじゃない!!」

「何にだ?」

「もう〜、プレゼントよ!」

話が進まず大きな声が自然と出てしまう。

「何だ、そんな事か。」

これまたミロはあっさりと言う。

「そんな事って・・・。」

興奮したせいか、目が潤んできた。



「好きな人の誕生日だし、一緒にお祝いしたいじゃない。」



ミロの、誕生日というものにあまり拘っていない様子に、の呟きは極々小さなものだった。

しかし、その呟きはミロにしっかりと届いたようだ。

。」

優しく呼ばれた自分の名前に、ミロを見る。

熱っぽい瞳で見つめられ、は金縛りにあったように動けないでいた。

の腰を引き寄せ、その体を抱きしめる。

「ありがとう。そしてすまないな。今まで自分の生まれた日なんて気にした事がなかったから、が俺の誕生日を気にかけてくれていたとは知らなかった。」

耳のすぐ近くで聞くミロの声にの興奮も次第に落ちついてきた。

「かなり嬉しいぞ。」

その言葉には吹き出した。ぱっとミロに顔を向けると満面の笑顔で。

「そんなに嬉しいなら、今年だけじゃなくて来年もその先もずっとずっと私がお祝いする!!」

「是非そうして貰おう。」

「言ったな。もう取り消しは出来ないからね。」

「そんな事する訳ないだろう。」

もう一度をしっかり抱きしめると。

「俺はが傍にいればそれだけでいい。」

ミロの言葉がの胸に染み渡る。

ミロだからこそ言われて嬉しい事。

ミロの温かい腕の中、は心から思う。

この人に出会えて良かったと。

そしてこれからも一緒に居られる幸せを噛みしめながらもミロの広い背中に手を回した。


お互いの温もりを確かめ合うように。



END




去年のサソリングは見る側でしたが、今年は念願叶って参加する事ができました!参加させていただきありがとうございます。
私の脳内はいつもミロで埋まってますが、この一ヶ月はよりミロ尽くしで幸せに浸りたいと思います(笑)

Happy Birthday、Milo!


アトガキ  11/24

この話は、突然怒ってるヒロインが浮かんだので、試しにミロ誕用に書いてみたら快調に出来上がってしまった一品です。だから他のミロ誕話より短くコンパクトにまとまっています(笑)
書きながら疑問に思ってましたが、ミロとヒロインってどこにいるんでしょう?(お前が言うな)。細かい場面設定を書かなくても話が進むっていうのは二次創作の良い所だなってしみじみ思ったのでした。てへっ☆(←バカっぽくてすみません;)